「リボン」 小川 糸
2013.10.31 | 22:52
評価:
小川糸 ポプラ社 ¥ 1,575 (2013-04-11) コメント:オカメインコのほのぼのとした雰囲気に包まれて、心地よいお話です。ちょっぴり、切ないんだけども・・。
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58861位
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¥ 1,050
(2013-03-22) コメント:キュートすぎます!オカメインコさんって、人と一緒に30年以上も生きるんですって。飼い主も責任重大です。 |
JUGEMテーマ:読書の楽しみ
大抵の女性にとって、小さな生き物というのは、理由なく可愛く思えたりするものなのかな?
すみれちゃんは、大の愛鳥家である。
私が小学校に行っている間、中里家の2階にある物干し台を占領し、
一日中、バードウォッチングに明け暮れる。籐でできたお気に入りのユリ椅子に身体を預け、ゆらゆらと揺れながら。・・・
こんな文章で始まる この小説は、
すみれちゃんという老婆と孫の私(ひばり)で羽化させ育てたオカメインコ「リボン」が、次から次へと人の心へと羽ばたいては、癒し、生きることへの勇気を与え続ける・・ちょっぴりおとぎ話のようなお話です。
表紙のイラストからも分かるように、オカメインコって、とても可愛い顔をしているんですね。小学生になるまで一人っ子だった私は、自分の部屋で、ジュウシマツを飼っていたことを思い出しました。籐の巣の中で、親指ほどの卵が、2つ3つ・・。親鳥が温めては、ふ化させて、部屋の中には、5羽もいたことがありました。
ところが、その中で、1羽だけ、大きくなれない小鳥がいました。
ばたばたと羽根を羽ばたかせても、4畳半の私の小さな部屋でも、籠から壁までも飛べなくて、すぐに床に落ちてしまう。
5歳ほどの私の小さな手の中にすっぽり収まるような鳥でした。クリーム色の小さな塊は、保育所でお昼寝から覚めたときにもらえるほんわかと温めたミルクみたいでした。
手の中の小さな命は、私の冷たいてのひらを温かくしてとくん、とくん、と身体を震わせて、私の手の中で、丸まっていたっけ。私の手で、身体を羽根を冷やすんじゃないかとどきどきしたものでした。
・・・今は、けむくじゃらのヨーキーが足に顎を乗せて、寝た振りしてますけど 苦笑
・・・・命をつなぐこと、諦めず、信じていくこと、それが、愛・・・であり、
このお話でいうところの、りぼん(すみれちゃんとひばりちゃんを永遠につなぐもの)そのものなんです。ほっこりしながらも、こみ上げるところもあったりして・・・。
秋の淋しい夜長に、黄色のビタミン剤!のような1冊でしたよ。♡