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色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

2013.05.16 | 04:56
評価:
村上 春樹
文藝春秋
¥ 1,785
(2013-04-12)
コメント:分析された心象風景が、理路整然と並ぶ言葉のうずに浮かんでは消える村上ワールド全開!一気に読み終えるのは、勿体ない気がしました。

JUGEMテーマ:読書の楽しみ
 
タイトルを見て、誰もが思うだろう、「色彩を持たない・・」って何だろう?という疑問。

主人公の多崎つくるは、公立高校時代に、夏休みのボランティア活動がきっかけで友達になった4人の友人がいました。彼らは、休日に集まってみんなでハイキングに出かけたり、テニスをしたり、誰かの家に集まって、一緒に試験勉強をしたり、いつまでも、頭を突き合わせて、さまざまなことを語り合う仲間。つくるを入れて、綺麗な5角形の強いバランスを描いていて、誰が欠けても、それは、成り立たないような仲間だったといいます。

そんな仲間から、突然、会えない・・・と、拒絶されてしまった。

なぜだろう。彼は、その年の7月から翌年まで、ほとんど死ぬことだけを考えて、暗く淀んだ世界に沈み込んでいた。

・・・彼らには、特徴があった。それぞれの名前に色があった。それで、アカ、クロ、シロ、アオという呼び名だったが、僕の名前には色がなかった。僕という個性は、何もなく、空っぽの容器のような人間だと、彼は、自分自身のことを考えていた。
他のみんなは個性的で、それぞれの良さをもっているのに、僕は、なんのとりえもない、ごく普通の人間で、なぜ、僕がみんなと一緒にいられるのかが不思議だった。
・・・僕は、みんなに必要とされているのだろうか。

さあ、そのつくるくん、自分に自信がなく、なぜ、突然に友人に拒絶されてしまったのかも、分からず、それを確かめる勇気も力もないまま、ずっとそこに蓋をし、心の深淵に沈めてしまったまま、16年の月日がたち・・・、

沙羅という女性と出会う・・・

誰もが、思春期の頃、たとえば、そうじゃなくても、
生きているささやかな自分の歴史の中で、
蓋をしてしまった思い出の一つや二つ・・・。
何の解決も手だても見いだせないままに過ごしてきた あの日・・、

自分に自信もなく、不安で過ごした自分、たぶん、私は今でも、足元がふらつくんだけど。

読みながら、私自身が、多崎になって、一緒に、旅をしているような気分になりました。
それは、どこかの時点でおいてきぼりにした自分を探しにいくようなもので、
小さなささくれを、丁寧に丁寧に、修正しているような感覚でした。
だから、彼が、(っと、ネタばれになるのでやめましょう)

自分の感情の言葉を発することができるようになった彼の姿に、
私自身も、そうであるかのような錯覚、偽体験に陥りました。

う〜〜〜ん、これが 本の醍醐味ですよねえ。
最後まで、読み切るのが、勿体なかったですw。

多少、???のところは、私の力不足でしょ。
暴露本でも、読んで、研究したくなりました^^;

IQ84は、繭がでてきたり、人間でないものが出てきて、ファンタジック?でしたが、
これは、私でもすんなり読めました。面白かったですよおおおおお。

ちょっと理屈っぽい理系の男性、好みだったり^^;するのも、一因かも・・・(苦笑)
コメント
おーもう完読しましたか。さわりを教えていただいただけでも、早速読みたくなりました。1Q84より読みやすいということですよね?それなら理解できるかな(^_^;)。

村上作品は、なんて評論できるほど、読みこなしてはいませんが、早熟で、妙に女の子にもてる青少年が登場するような気がしません?作者の分身なのでしょうか、ちょっとナルシストかな、なんて思ってしまいました。
  • 雪ん子
  • 2013.05.16
  • 16:29
雪ん子さんへ♪

村上作品は、途中で、こんがらがって、
最後まで一気読みができない私が、
この作品ばかりは、わかりやすくて、楽しませてもらいましたー^^
雪ん子さんが、ご指摘されて、そういえば、思春期から青年期にかけて、モラトリアムな時期の男性が主人公っていうのが、
多いような気がしますよね!・・私、うっかりしてました^^
恋愛小説は苦手で、ほとんど読まないのですが、
彼の本には、そのたぐいの描写が時々出てくるので
時々、困ります‐‐;(苦笑)
  • てふ
  • 2013.05.17
  • 20:04
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